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「ドクター斎藤のコロナ対策」

機能性医学会認定医
ドクター斎藤の新型コロナウイルス予防法

ドクター斎藤こと斎藤糧三

医師。日本機能性医学研究所 所長。米国機能性医学(The Institute for Functional Medicine) 認定医。細胞機能再生クリニック「RECLINIC」院長、全身温熱医療施設「サーモセルクリニック」理事長、「ナグモクリニック東京」アンチエジング・機能性医学外来医長。ソフトウエア医療機器の開発企業「ライフクエスト」CEO。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008 年、日本機能性医学研究所を設立。2013 年、一般社団法人日本ファンクショナルダイエット協会を設立、副理事長に。2017 年、スーパーフードとしての牧草牛の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。

新型コロナウイルス(COVID-19)を含むウイルス性呼吸器感染症は、
次の5つの段階に分けて考えます。

感染予防と早い段階での対策はもちろん、感染時の早期回復にむけたアプローチが重要となります。

【ウイルス性呼吸器感染症】
鼻、のど、気管支、肺など、空気の通り道に関連した臓器に生じる感染症のこと。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症もこれに含まれます。年齢にかかわらず発症し、症状も軽症から重症までさまざまです。

1. 暴露(ウイルスが侵入)

ウイルスが気道に到達してしまう経路は主に2つです。
(1)飛沫:感染者のくしゃみや咳によって、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人が口や鼻から吸い込んでしまいます。
(2)接触:感染者が咳やくしゃみを手で押さえたり鼻水をぬぐった後に、触れた場所にウイルスがつき、そこに別の人が触ってウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることで吸い込むことになります。

インフルエンザと同じく、これらの感染経路を断ち切ることが予防の第一歩です。

対策

  • 人混みを避ける
  • マスクの着用
  • 丁寧な手洗いとうがい
  • アルコール消毒
  • 電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなどになるべく触れない
  • 空気清浄機の使用 /部屋の湿度を保つ(ウイルス粒子の浮遊時間を減らす)

2. 感染(ウイルスが活動)

感染とはウイルスが細胞内に入り、自己複製を始める状態を指します。外界と体内との境界である気道は、ウイルスを細胞に感染させないためのシステムを備えています。
気道の働きとは…
◇ 粘液を分泌して、ウイルスが細胞にコンタクトできないようにする。
◇ 線毛というブラシのようなものを動かし、異物を排出しようとする。
◇ 抗菌物質「ディフェンシン」を分泌して、ウイルス感染が起こらないようにする。
◇ マクロファージ(貪食細胞)がパトロールして、外敵と認識したウイルスを食べる。

つまり、気道の機能が低下しないようにすることが感染予防の対策になります。

対策

  • 粘液の分泌を促して線毛運動をサポート:水分摂取、部屋の湿度確保(マスクでも代用可)
  • 健全な気道を維持するために必要な栄養素を欠かさない →[栄養アプローチ]へ
  • 抗菌物質「ディフェンシン」の分泌を促す栄養素を摂取 →[栄養アプローチ]へ
  • 白血球(マクロファージなど)の活動エネルギーを供給 →[栄養アプローチ]へ

*潜伏期間って何?
ウイルスに感染し、体に症状が出るまでの期間のこと。発熱や咳などのさまざまな症状は、体がウイルスを排除しようとする時の反応です。期間はウイルスの種類やその人の体調などによって異なるため、たとえ症状は出ていなくても感染している可能性はあります。また、感染していても症状が出ない場合もあります。

<ウイルス性感染症の潜伏期間の目安>
・インフルエンザ:1~3日 ・新型コロナウイルス:2~14日

3. 拡大(ウイルスが増産)

上皮細胞がウイルスに感染すると、感染した細胞の中でさらにウイルスを増やします。ウイルスは自分の力だけでは複製できないので、細胞の中に潜り込んで自分を複製させるのです。感染細胞から出たウイルスは、近くにある正常細胞に伝染していきます。病原性の高いウイルスはこの伝染力が高いのが特徴のひとつです。

4. 免疫成立(ウイルスに勝つ)

免疫とは「疫から免れる」ことを意味します。ウイルスに特異的な免疫グロブリンを増やし、効率よくウイルスを排除することと、再感染の予防を叶えることが免疫の本質と言えます。

対策

  • 免疫グロブリンの合成を促すのに必要な栄養素を摂取:[栄養アプローチ]へ

5. 修復(元の体へ回復)

感染した細胞は、場合によっては細胞死したり、または修復が必要です。上皮細胞のターンオーバー(新陳代謝)が起こることで、元の機能(防御力)を取り戻します。

対策

  • 修復に必要な栄養素をしっかりと摂取:[栄養アプローチ]へ

ウイルスに負けない!
【栄養アプローチ】

感染予防と感染した際の早期回復に向けては、毎日の食事がとても重要です。
栄養バランスが良いと、栄養素がそれぞれの役割をきちんと発揮し、免疫力も高めてくれます。

ウイルスをよせつけない気道の維持のための栄養素

  • 細胞の原料となるもの:タンパク質、亜鉛
  • ターンオーバーを正常にするために重要:ビタミンA、ビタミンD
  • 細胞間質を構成するコラーゲン繊維の合成に必須:タンパク質、鉄、ビタミンC

免疫細胞を活性化するための栄養素

  • 免疫細胞の原料となるもの:タンパク質、亜鉛
  • 抗体産生のために重要:タンパク質、亜鉛、ビタミンA
  • 免疫細胞の活動エネルギーとなるアミノ酸が必要:グルタミン
  • ウイルスをフリーラジカルで不活化させるのに役立つもの:

気道での抗菌力を向上させるための栄養素

  • 抗菌物質「ディフェンシン」の分泌を促進するのに最重要:ビタミンD
摂取量の目安

ビタミンD:50~100μg(2000~4000IU)
ビタミンA:1200~3000μgRAE( 4000~10000IU)
ビタミンC:1000~3000mg *感染時は3000~6000mg下痢しない範囲で増量
グルタミン:1000~3000mg
亜鉛:15~60mg
:2~8mg *充足していれば2mg、鉄欠乏(フェリチン80ng/ml以下、血清鉄80㎍/dl以下)があれば8mg

これらの栄養素を食事からすべて摂ることは難しいため、
サプリメントで摂ることをおすすめします。

ウイルスに負けない!
【日常生活の工夫】

積極的な水分補給: 1日に1.5L以上の水を

乾燥すると喉の粘膜の働きが低下し、ウイルスを排出する力が落ちてしまいます。乾燥させないためには水分補給がいちばん。1日に1.5L以上を、こまめに分けて飲むことをおすすめします。

部屋の湿度をキープ:50~60%が理想

ウイルスは高温多湿に弱いもの。部屋の湿度は50~60%を目安に、加湿します。抗菌マイナスイオン発生器を併用すると、加湿器のカビによる害を減らせる可能性があります。

マスクの着用:グレードにも注目

感染予防のため、人混みに行くときはマスクの着用が大原則。咳やくしゃみの症状がある人が正しくマスクをつけることも、他人に移さず、感染を広げないための鉄則です。マスクが品薄と報じられていますが、もし手元にマスクがない場合は特に手洗いを丁寧に、栄養と睡眠をしっかりとって体調を整えるなどの対策に力を入れましょう。

マスクのグレードについて

N95規格:NIOSH (米国労働安全衛生研究所)が制定した呼吸器防護具の規格基準で、編み目が通常のマスクよりも高密度で着用時の密閉率も高いマスクです。95とは、空力学的質量径が0.3μmである塩化ナトリウムの捕集効率試験で95%以上捕集することを意味。空気感染では咳やくしゃみによる飛沫の水分が蒸発し、直径5μm以下の飛沫核が飛散します。つまり、N95マスクを着用することで5μm以下の飛沫核に付着したウイルスなどの侵入を防ぐことが期待できます。

サージカルマスク:N95のような防護機能はないものの、飛沫を吸引する確立を減らせる可能性があります。また、ウイルスが付着した手を顔に直接触れる頻度を減らせる可能性も。確実に期待できるメリットは、気道の湿度を保つことで、気道の防御力低下を防ぐことです。

空間除菌:ウイルス除去・抗菌

家の中には、目には見えない小さなホコリやチリについているウイルスが浮遊していたり、 物にくっついたりしています。これらを除去してくれる衛生用品を利用するのも賢明。二酸化塩素を利用して浮遊ウイルスや浮遊菌の除去を可能にした「クレベリン」という商品が有名です。部屋に置いて発生させたり、携帯用を用いて、顔周りで発生させることで効果が期待できます。